企業のPR動画やSNS向けの短尺動画、採用動画など、ビジネスシーンで動画を活用する企業が増えています。社内で制作するリソースがない場合、動画制作会社に外注するのが現実的な選択肢です。
しかし、動画制作会社は数多く存在し、会社によって得意なジャンルや料金体系が大きく異なります。この記事では、動画制作会社を選ぶときのチェックポイントと、代表的な制作会社の特徴を紹介します。

動画制作会社を選ぶときのチェックポイント
1. 制作実績・ポートフォリオ
制作会社を選ぶ際に最も重要なのは、過去の制作実績です。公式サイトに掲載されているポートフォリオを確認し、自分が求める動画のテイストと近い作品があるかをチェックしましょう。
企業PR動画、商品紹介動画、採用動画、アニメーション動画など、動画にはさまざまなジャンルがあります。「何でもできます」よりも、自社が必要としている分野で実績のある会社を選ぶほうが安心です。
2. 対応範囲(企画〜納品まで一気通貫か)
動画制作のプロセスは、企画→台本作成→撮影→編集→納品の流れが一般的です。すべての工程を1社で完結できるか、それとも撮影だけ・編集だけを外注する形かを事前に確認しましょう。
企画・構成の段階から関わってくれる会社であれば、動画の目的やターゲットに合わせた提案を受けられます。一方、社内である程度の企画ができるなら、編集のみ外注することでコストを抑えられます。
3. 見積もりの透明性
制作費用の内訳が明確に提示されるかどうかは、信頼できる会社かを見極めるポイントです。「一式○○万円」という見積もりだけでは、どの工程にいくらかかっているのかが分からず、追加費用が発生しやすくなります。
企画費、撮影費(カメラマン・機材・スタジオ代)、編集費、音楽・ナレーション費、修正費など、項目ごとに費用が分かれている見積もりを出してくれる会社を選びましょう。
4. 修正対応の回数と費用
納品前の修正対応が何回まで含まれているかを確認しておくことは重要です。「修正は2回まで無料、3回目以降は1回あたり○○円」といったルールが事前に決まっている会社のほうが、トラブルになりにくいです。
5. コミュニケーションの取りやすさ
制作期間中は、企画内容のすり合わせや素材の受け渡しなど、頻繁にやり取りが発生します。担当者のレスポンスが早いか、オンラインミーティングに対応しているか、チャットツール(Slack・Chatworkなど)で連絡が取れるかも確認しておきたいポイントです。
打ち合わせが増えると、会議室でノートPCのマイクを囲んで話すことになりがちです。複数人でのオンライン会議が続くようなら、集音範囲の広いスピーカーフォンを1台置いておくと聞き返しの手間が減ります。
- 制作実績で自社に近いジャンルの動画があるか確認
- 見積もりの内訳が明確かをチェック
- 修正回数と追加費用のルールを事前に把握
- コミュニケーション手段とレスポンスの速さを確認
代表的な動画制作会社の特徴
動画制作会社は多数ありますが、ここでは規模や得意分野の異なる代表的な会社をいくつか紹介します。
Crevo(クレボ)
アニメーション動画に強みを持つ制作会社で、国内外のクリエイターネットワークを活用した制作体制が特徴です。コスト を抑えながらもクオリティの高いアニメーション動画を制作できるため、説明動画やサービス紹介動画で多くの実績があります。
LOCUS(ローカス)
企業のマーケティング動画を中心に手がけている制作会社です。動画の企画段階からマーケティング視点でのアドバイスを受けられるのが強みで、「動画を作ること」だけでなく「動画で成果を出すこと」にフォーカスしています。
Lumii(ルミー)
フリーランスの映像クリエイターとのマッチングプラットフォームを運営しており、制作会社に直接依頼するよりもコストを抑えた制作が可能です。クリエイターの実績やレビューを確認してから依頼できるため、安心感があります。
プルークス
テレビCMからYouTube広告まで、幅広い映像制作に対応する制作会社です。大手企業との取引実績が多く、ブランディング動画や企業PR動画の制作に定評があります。
サムシングファン
動画の企画・制作だけでなく、動画マーケティングの運用支援まで一気通貫で対応しています。「動画を作って終わり」ではなく、動画を使ってどう成果を出すかまで伴走してくれる点が特徴です。

動画制作会社以外の選択肢
フリーランスの映像クリエイター
ランサーズ、クラウドワークス、ココナラなどのクラウドソーシングサービスや、Lumiiなどの専門マッチングプラットフォームを通じて、フリーランスのクリエイターに直接依頼する方法もあります。制作会社に比べて中間マージンが少ないため、費用を抑えやすいのがメリットです。
ただし、品質のばらつきが大きいため、過去の制作物(ポートフォリオ)を必ず確認してから依頼することが大切です。実績やレビューが豊富なクリエイターを選ぶようにしましょう。
自社内製(インハウス制作)
動画の本数が多い場合や、定期的にSNS向けの短尺動画を投稿する場合は、社内に動画制作のスキルを持った人材を確保するほうが長期的にはコスパが良くなるケースもあります。Adobe Premiere ProやDaVinci Resolveなどの動画編集ソフトを使えるスタッフを育成し、撮影機材を揃える初期投資は必要ですが、ランニングコストは抑えられます。
内製に踏み切る場合、最初の一式は三脚・照明・マイクがまとまった撮影機材セットから始める企業が多いようです。まず何本か自社で作ってみて、足りない部分だけ買い足していく進め方なら投資も抑えられます。
動画制作ツール・テンプレートサービス
Canva、FlexClip、InVideoなどのオンライン動画制作ツールを使えば、テンプレートを選んでテキストや素材を差し替えるだけで簡単な動画が作れます。SNS投稿用の短尺動画や社内向けの簡易動画であれば、これらのツールで十分対応できるケースもあります。
依頼時に準備しておくべきこと
動画の目的とターゲットを明確にする
「なんとなくカッコいい動画を作りたい」では、制作会社も方向性を決めにくくなります。「商品の認知拡大」「採用エントリー数の増加」「サービスの使い方を説明する」など、動画を作る目的を明確にしましょう。
参考にしたい動画のURLを3〜5本集める
自社が目指すテイストに近い動画のURLを複数集めておくと、制作会社とのイメージ共有がスムーズになります。「この動画のテンポ感が好き」「このカラーグレーディングが理想に近い」など、具体的に伝えられると制作精度が上がります。
予算と納期を伝える
予算を曖昧にしていると、見積もりのミスマッチが生じやすくなります。「予算は○○万円以内で」「○月○日までに納品してほしい」と明確に伝えることで、制作会社も適切な提案をしやすくなります。
動画の著作権や二次利用の範囲は、契約時に必ず確認しましょう。「制作後の動画データの所有権はどちらにあるか」「SNSやWebサイトでの利用に制限はないか」といった点を事前に取り決めておくことで、納品後のトラブルを防げます。
この手の取り決めは、契約書のどこを見ればよいかを知っているかどうかで確認の速さが変わります。映像の著作権や利用許諾を扱った実務書に一度目を通しておくと、初回の契約でも論点を押さえやすくなります。
よくある質問
Q. 動画制作会社への依頼は最低いくらから?
A. シンプルなインタビュー動画やスライドショー形式であれば10万〜30万円程度から依頼できるケースがあります。企画から撮影・編集まで含めたPR動画の場合は50万〜200万円程度が目安です。ただし会社やプロジェクトの規模によって大きく異なるため、複数社に見積もりを取ることをおすすめします。
Q. 相見積もりは何社くらい取るべき?
A. 3社程度が適切です。2社だと比較の基準が定まらず、5社以上になると比較検討に時間がかかりすぎます。見積もりだけでなく、ヒアリング時の対応やコミュニケーションの取りやすさも比較ポイントとして考慮しましょう。
Q. 制作期間はどのくらい?
A. 動画の種類や長さによりますが、一般的には企画開始から納品まで1〜2ヶ月程度です。アニメーション動画は実写動画よりも時間がかかる傾向があります。急ぎの案件の場合は事前に相談すれば、短納期で対応してくれる会社もあります。
Q. 動画制作会社に依頼する前に準備することは?
A. 以下の3点を事前に整理しておくと、制作会社とのやり取りがスムーズに進みます。まず「動画の目的」(認知拡大、採用促進、商品説明など)を明確にすること。次に「参考にしたい動画のURL」を3〜5本集めておくこと。最後に「予算の上限」と「納品希望日」を決めておくことです。
Q. 動画の著作権はどうなる?
A. 契約内容によって異なります。著作権が依頼主に帰属する契約もあれば、制作会社に著作権が残り利用ライセンスのみ付与される契約もあります。SNSやWebサイトでの使用、テレビCMへの転用など、動画の利用範囲も契約時に確認しておきましょう。「買い切り」なのか「利用許諾」なのかは、見積もり段階で明確にしてもらうのがベストです。
動画制作の一般的な流れ
ステップ1:ヒアリング・企画
制作会社との初回打ち合わせで、動画の目的・ターゲット・活用シーン・予算・納期などを共有します。この段階で企画書や構成案が作成されます。
ステップ2:台本・絵コンテ作成
ナレーション原稿やカット割りをまとめた台本・絵コンテが制作されます。ここで内容の方向性を確定させるため、修正点があればこの段階で伝えるのが効率的です。撮影後の大幅な変更は追加費用が発生しやすくなります。
ステップ3:撮影
台本に沿って撮影が行われます。実写の場合はロケ地の手配やキャスティングも制作会社が対応するケースが一般的です。
ステップ4:編集・仕上げ
撮影素材の編集、テロップ・BGM・効果音の追加、カラー調整などが行われます。初稿が上がったら試写を行い、修正点をフィードバックします。
ステップ5:納品
修正が完了したら最終データが納品されます。MP4形式での納品が一般的ですが、SNS用に複数のアスペクト比で書き出してもらえるかも事前に確認しておきましょう。
納品された動画データは、社内のPCだけに置いておくと担当者の異動時に行方が分からなくなりがちです。過去の制作物をまとめて保管する外付けHDDを用意しておくと、次の制作の参考資料としても活きてきます。

まとめ
動画制作会社を選ぶ際は、制作実績、費用の透明性、修正対応のルール、コミュニケーションの取りやすさを総合的に判断することが大切です。安さだけで選ぶのではなく、自社の目的に合った提案をしてくれる会社を見つけましょう。
まずは3社程度に問い合わせて相見積もりを取り、ヒアリング時の対応も含めて比較検討するのがおすすめです。動画を作る目的と予算を明確にしておけば、制作会社とのやり取りもスムーズに進みます。


