かつて無料で使える高機能な動画編集ソフトとして人気を集めていたHitFilm(ヒットフィルム)。しかし、開発元のFXhomeが事業を終了したことに伴い、HitFilmの開発・サポートは停止している。
「HitFilmって使えるの?」「今から導入しても大丈夫?」と検索している人に向けて、この記事ではHitFilmの口コミ・評判の振り返りと、開発終了後の現状、そして乗り換え先として検討できる代替ソフトを紹介する。

HitFilmとは?これまでの経緯
HitFilmは、イギリスのFXhome社が開発・提供していた動画編集+VFXソフトウェア。2011年に初版がリリースされ、無料版の「HitFilm Express」と有料版の「HitFilm Pro」を展開していた。
無料版でありながらVFX(視覚効果)機能が充実していたことで、予算の限られた個人クリエイターや学生から高い支持を集めていた。
開発終了の経緯
FXhome社は2021年にArtlist社に買収された。その後、永久ライセンスからサブスクリプション契約への移行が進められたが、多くのユーザーが無料のDaVinci Resolveなどへ流出。2025年1月15日にArtlist社がFXhomeの事業を終了し、HitFilmの開発・新規利用受付も停止された。
HitFilmは新規ダウンロードができなくなっている。既存ユーザーはソフトを継続利用できるが、アップデートやサポートは提供されないため、新しいOSやハードウェアとの互換性に問題が生じる可能性がある。
互換性の面で不安が出てくると、本体の買い替えを検討する人も出てくる。動画編集向けとして売られているノートPCは、メモリとストレージに余裕を持たせた構成が中心だ。
HitFilmの口コミ・評判を振り返る
良い口コミ
HitFilmが健在だった時期に寄せられていた口コミの中から、特に多かった評価ポイントを紹介する。
- 「無料なのにVFX機能が充実していて驚いた」
- 「モーションブラーがすぐに付けられて便利。ゲーム映像に躍動感を出すのに重宝した」
- 「Premiere ProやAfter Effectsを買う余裕がない学生時代に、HitFilmで映像制作の基礎を学べた」
- 「UIが英語だが、直感的に操作できるので慣れれば問題なかった」
気になる口コミ
- 「日本語非対応なので、設定や操作に戸惑うことがあった」
- 「重いプロジェクトを扱うとクラッシュすることがあった」
- 「有料版への移行後、無料版で使えた機能が制限されて残念だった」
- 「チュートリアルが英語中心で、日本語の情報が少なかった」

開発終了後の現状
HitFilmの開発終了に伴い、以下の状況となっている。
- 新規ダウンロード:停止(公式サイトからの新規取得は不可)
- 既存ユーザー:インストール済みのソフトは継続利用可能
- アップデート:今後の提供なし
- サポート:終了済み
- 互換性:新しいOS・ハードウェアへの対応は保証されない
つまり、今からHitFilmを新しく導入することは推奨できない状況だ。既に使っている人も、長期的には代替ソフトへの移行を検討した方がよいだろう。
HitFilmの代替としておすすめのソフト
DaVinci Resolve(無料)
HitFilmからの乗り換え先として最も多く選ばれているのがDaVinci Resolveだ。Blackmagic Design社が提供する無料の動画編集ソフトで、プロの映像制作現場でも使われている。カット編集・カラーグレーディング・VFX(Fusionページ)・オーディオ編集(Fairlightページ)のすべてが1つのソフトに統合されている。
無料版でもほとんどの機能が利用でき、有料の「DaVinci Resolve Studio」では8K対応やAIベースの機能が追加される。公式サイトはBlackmagic Designでアクセスできる。
ただ、DaVinci Resolveは機能が多いぶん、独学だと迷いやすい。乗り換え直後の学習には、操作を一通り追える解説書があると進めやすい。
Adobe Premiere Pro(有料)
映像制作の業界標準と言えるソフト。After Effectsとの連携(Dynamic Link)が強みで、VFXを多用する制作にも対応できる。料金は月額制のサブスクリプションで、詳細はAdobe公式サイトで確認しよう。
CapCut(無料/Pro)
SNS向けのショート動画制作に特化した動画編集アプリ。HitFilmのようなVFX機能はないが、テンプレートやAI機能が充実していて、手軽に動画を作りたい人に向いている。
Blender(無料)
オープンソースの3DCGソフトで、動画編集機能(ビデオシーケンスエディタ)も搭載されている。3DCGとの統合が強みで、VFX的な表現も可能。ただし、動画編集のUIは専用ソフトと比べると使い勝手に差がある。

代替ソフトの選び方
HitFilmで何をしていたかで選ぶ
HitFilmをカット編集メインで使っていた人はDaVinci ResolveやPremiere Pro、VFX目的で使っていた人はDaVinci ResolveのFusionページやAfter Effectsが候補になる。SNS向けの簡単な動画制作ならCapCutで十分な場合も多い。
予算で選ぶ
無料にこだわるならDaVinci ResolveかBlender。月額コストを許容できるならPremiere Proが選択肢に入る。
Blenderは3DCGまで踏み込める反面、覚えることが多いソフトでもある。独学で進めるなら、体系立てて解説した入門書があると挫折しにくい。
OSとの互換性で選ぶ
DaVinci ResolveとBlenderはWindows・macOS・Linuxに対応。Premiere ProはWindowsとmacOSに対応。CapCutはスマホ・PC両対応だ。
HitFilmが残した功績
開発は終了してしまったが、HitFilmが動画編集業界に残した影響は小さくない。無料でVFX機能を提供するという姿勢は、多くの若手クリエイターに映像制作への扉を開いた。
HitFilmがなければ映像制作を始めなかったというクリエイターも少なくなく、映像制作の民主化に貢献したソフトウェアと言えるだろう。その精神は、現在のDaVinci Resolve(無料版)やBlenderなどのオープンソース・無料ソフトに引き継がれている。
HitFilmで学んだスキルは他のソフトでも活きる
HitFilmで身につけたレイヤーベースの合成やキーフレームアニメーションの概念は、After EffectsやDaVinci ResolveのFusionページなど、他のソフトでもそのまま応用できる。HitFilmで培ったスキルは決して無駄にならないので、安心して新しいソフトへの移行を進めよう。
よくある質問(Q&A)
Q. HitFilmのプロジェクトファイルを他のソフトで開ける?
残念ながら、HitFilmのプロジェクトファイル(.hfp)は他のソフトでは直接開けない。HitFilmで制作した映像を残したい場合は、動画ファイル(MP4など)として書き出してから、新しいソフトに取り込む必要がある。
書き出した動画と元素材をまとめて保管するなら、外付けのポータブルSSDが扱いやすい。移行の途中でデータを失わないよう、作業前にコピーを取っておくと安心だ。
Q. HitFilmが復活する可能性は?
FXhome社が事業を終了しているため、同じ形での復活はむずかしいと考えられる。ただし、オープンソース化や他社による買収の可能性についてはゼロではない。最新の情報はFXhomeの公式発表を確認しよう。
Q. HitFilmから乗り換える際に注意することは?
HitFilmで作成したプロジェクトは事前に動画として書き出しておくこと。また、新しいソフトの操作に慣れるまで一定の学習時間が必要になるため、余裕を持って移行スケジュールを組もう。
Q. HitFilmで作った動画素材は今後も使える?
HitFilmで書き出したMP4やMOVなどの動画ファイルは、一般的な動画形式であるためどのソフトでも読み込める。ただし、HitFilmのプロジェクトファイル(.hfp)は他のソフトでは開けないので、大事なプロジェクトは動画ファイルとして書き出しておくことが重要だ。
Q. HitFilmと同じような無料VFXソフトは他にある?
DaVinci ResolveのFusionページが最も近い代替手段だ。Fusionではノードベースの合成が可能で、VFXやモーショングラフィックスの表現力が高い。完全無料で使えるため、HitFilmの代わりとして多くのユーザーが移行している。
動画編集ソフトの世界は常に変化しており、新しいソフトの登場やアップデートが繰り返されている。HitFilmの終了を経験したユーザーにとって、今回の移行は面倒に感じるかもしれないが、新しいソフトを学ぶことで自分のスキルセットを広げるチャンスでもある。DaVinci ResolveやPremiere Proなどの代替ソフトには、HitFilmにはなかった便利な機能も多数搭載されているので、積極的に新しい環境を楽しもう。
まとめ
HitFilmはかつて「無料で使える高機能VFXソフト」として多くのクリエイターに愛されたが、開発元の事業終了に伴い、今後の利用は推奨できない状況になっている。
- HitFilmは2025年1月にFXhome社の事業終了とともに開発停止
- 既存ユーザーは継続利用可能だが、アップデート・サポートはなし
- 代替ソフトはDaVinci Resolve(無料)が最有力候補
- VFX目的ならDaVinci ResolveのFusionやAfter Effectsも選択肢
- 乗り換え前にHitFilmのプロジェクトを動画として書き出しておくこと



