動画編集用のパソコンを選ぶとき、「スペックの見方がわからなくて何を基準に選べばいいの?」と困っている方は多いのではないでしょうか。CPU・メモリ・GPU・ストレージなど、チェックすべき項目がたくさんあって混乱しがちです。
動画編集で押さえるべきスペックは「CPU」「メモリ」「GPU」「ストレージ」の4つだけです。この4つの目安を知っておけば、パソコン選びで失敗することはほぼありません。
この記事では、各パーツの役割と動画編集に必要なスペックの目安をわかりやすく解説します。初めてPCを買う方でも自信を持って選べるようになるはずです。

CPU(プロセッサー)の選び方
CPUはパソコンの「頭脳」にあたるパーツです。動画のカット編集やエフェクトの処理、エンコード(書き出し)の速度に大きく影響します。
IntelとAMDの目安
| 編集する動画 | Intel | AMD |
|---|---|---|
| フルHD編集 | Core i5以上 | Ryzen 5以上 |
| 4K編集 | Core i7以上 | Ryzen 7以上 |
| 8K / プロ向け | Core i9 | Ryzen 9 |
コア数が多いほどエンコードが速くなるので、最低でも6コア以上のCPUを選んでください。Core i5/Ryzen 5の最新世代であれば6コア以上を搭載しているので、フルHD編集には十分なスペックです。
ただし、CPUの世代も重要です。古い世代のCore i7よりも新しい世代のCore i5のほうが高性能な場合があります。購入前にベンチマークスコアを確認しておくと安心です。
Apple Siliconの場合
MacのApple Siliconチップは、IntelやAMDとはアーキテクチャが異なります。M1チップでもフルHD〜4Kの基本編集は可能で、M3 Pro以上なら4K編集も余裕でこなせます。
Apple SiliconはCPUとGPUが統合されているため、メモリの効率も良く、同スペック帯のWindows PCよりも省電力で高い処理性能を発揮します。

メモリ(RAM)の目安
メモリは作業中のデータを一時的に保持するパーツです。動画編集ソフトは常に大量のデータをメモリ上に展開しているため、メモリが不足するとソフトがカクカクになったりフリーズしたりします。
| メモリ容量 | 対応 | 評価 |
|---|---|---|
| 8GB | フルHDのカット編集がギリギリ | 非推奨 |
| 16GB | フルHD編集全般 | 最低ライン |
| 32GB | 4K編集・マルチタスク | おすすめ |
| 64GB以上 | 8K / After Effects | プロ向け |
最低16GB、理想は32GB以上が動画編集のメモリ目安です。8GBでは編集中にフリーズするリスクが高いので絶対に避けてください。
複数のソフトを同時に使う場合(Premiere Pro+After Effects+ブラウザなど)は64GBあると安心です。ただし一般的なYouTube動画の編集であれば32GBで十分です。
GPU(グラフィックボード)の目安
GPUはエンコードの高速化とリアルタイムプレビューの安定化に威力を発揮します。動画編集ソフトの多くがGPUアクセラレーションに対応しているので、GPUの有無で作業効率が大きく変わります。
NVIDIAがおすすめ
| 編集する動画 | 推奨GPU | 価格帯 |
|---|---|---|
| フルHD編集 | GTX 1650以上 | 約2万円〜 |
| 4K編集 | RTX 3060以上 | 約4万円〜 |
| 8K / プロ向け | RTX 4070以上 | 約8万円〜 |
Premiere ProやDaVinci ResolveはGPUアクセラレーションに対応しているので、GPUの性能が書き出し速度に直結します。NVIDIAのCUDAコアに最適化されたソフトが多いため、動画編集用途ではNVIDIAを選ぶのが無難です。
内蔵GPUでも大丈夫?
フルHDの簡単なカット編集なら内蔵GPUでもギリギリ対応可能です。ただし、エフェクトを多用する編集や4K素材を扱う場合は専用GPUが必須です。本格的に動画編集に取り組むなら、最初から専用GPU搭載のPCを選んでおくことをおすすめします。

ストレージの選び方
ストレージはデータを保存するパーツです。動画素材はファイルサイズが非常に大きいため、ストレージの種類と容量が重要になります。
- SSD 512GB以上は必須(HDDだけのPCは動画編集に不向き)
- NVMe SSDならSATA SSDの5〜7倍の読み書き速度
- 動画素材の保存には外付けSSDやHDDを併用するのがおすすめ
- OS用SSD+素材保存用HDDのデュアル構成がコスパ最強
SSD 512GB以上は必須です。HDDだけのPCでは素材の読み込みやプレビューの表示が遅すぎて、まともに編集できません。NVMe SSDであれば読み書きが爆速で、大容量の4K素材もストレスなく扱えます。
動画素材は容量を大量に消費するので、本体のSSDだけでは足りなくなります。外付けSSD(1TB以上)を用意して、素材はそちらに保存する運用がおすすめです。
ディスプレイのスペック
パソコンのディスプレイ(特にノートPC)の色域も確認しておきましょう。色域が狭いディスプレイでカラーグレーディングを行うと、書き出した動画の色が意図と違う仕上がりになることがあります。
sRGB 100%以上が理想です。4K編集をする方は、4Kモニターを使うとプレビューの細部まで確認でき、仕上がりの品質が向上します。
全パーツの目安まとめ
| パーツ | フルHD編集 | 4K編集 | プロ向け |
|---|---|---|---|
| CPU | Core i5 / Ryzen 5 | Core i7 / Ryzen 7 | Core i9 / Ryzen 9 |
| メモリ | 16GB | 32GB | 64GB以上 |
| GPU | GTX 1650 | RTX 3060〜4060 | RTX 4070以上 |
| ストレージ | SSD 512GB | NVMe SSD 1TB | NVMe SSD 2TB |
| ディスプレイ | sRGB 99%以上 | sRGB 100%以上 | Adobe RGB 99%以上 |
- 1つのパーツだけハイスペックにしても、他がボトルネックになると意味がない
- バランスの良いスペック構成が最も重要
- 迷ったらワンランク上のスペックを選んでおくと長く使える

よくある質問(Q&A)
Q. Core i5とCore i7の差は体感できますか?
A. フルHDのシンプルな編集ではあまり差を感じませんが、4K素材のエンコードやエフェクトを多用する編集ではCore i7のほうが明確に速いです。予算に余裕があるならCore i7を選んでおくと安心です。
Q. IntelとAMDどちらがおすすめですか?
A. 動画編集においてはIntelとAMDの性能差はほぼありません。同世代の同クラス(i7 vs Ryzen 7)であれば、どちらを選んでも快適に編集できます。価格や入手しやすさで選んでOKです。
Q. SSDの容量が足りなくなったらどうすればいいですか?
A. 外付けSSDやHDDを追加するのが一番手軽な方法です。デスクトップPCなら内蔵SSDの増設も可能です。完成した動画や使い終わった素材は外部ストレージに移動して、本体のSSD容量を確保しましょう。
Q. ノートPCでもデスクトップ並みのスペックは手に入りますか?
A. ハイエンドのノートPCであればデスクトップに近い性能を持つモデルもあります。ただし同じ予算ならデスクトップのほうが高性能で、排熱性能も優れています。
Q. 中古PCで動画編集を始めても大丈夫ですか?
A. スペックの条件(メモリ16GB以上・SSD・GPU搭載)を満たしていれば中古PCでも問題ありません。ただしバッテリーの劣化やパーツの消耗を考慮すると、デスクトップPCの中古のほうがリスクは低いです。
Q. 動画編集にSSDは本当に必要ですか?
A. 必須です。HDDだけのPCで動画編集を行うと、素材の読み込み・プレビューの表示・プロジェクトの保存すべてが遅くなります。SSDとHDDでは読み書き速度が10倍以上違うので、SSD搭載は妥協しないでください。
まとめ
- CPU(Core i5以上)・メモリ(16GB以上)・GPU(GTX 1650以上)・SSD(512GB以上)が基本
- 4K編集するならCore i7+メモリ32GB+RTX 3060以上にスペックアップ
- Apple SiliconのMacならM3 Pro以上で4K編集も余裕
- SSD搭載は必須(HDDのみのPCは動画編集に不向き)
- 迷ったらワンランク上のスペックを選んでおくと長く使える
- 全パーツのバランスが最も重要
スペック選びは難しそうに見えますが、CPU・メモリ・GPU・SSDの4つの目安を押さえておけば大丈夫です。迷ったらワンランク上のスペックを選んでおくと、数年先まで快適に使い続けられます。
Intel公式でCPUスペック比較ができます。NVIDIA GeForce公式でGPUの性能比較もチェックしてみてください。


