動画編集を始めると、「カット」「トランジション」「カラーグレーディング」など、聞き慣れない専門用語がたくさん出てきます。用語の意味がわからないままだと、チュートリアル動画を見ても理解できなかったり、クライアントとのやり取りで困ったりすることがあります。
この記事では、動画編集の初心者が最初に覚えておきたい基本用語を、カテゴリ別にわかりやすく解説します。辞書のように使えるので、わからない用語が出てきたときにぜひ活用してください。

編集の基本操作に関する用語
カット(Cut)
カットとは、撮影した映像の不要な部分を切り取る作業のことです。動画編集のもっとも基本的な操作であり、「カット編集」とも呼ばれます。間延びした部分や言い間違いなどを取り除くことで、テンポのよい動画に仕上がります。
トリミング(Trimming)
トリミングとは、映像クリップの開始点や終了点を調整して、必要な部分だけを残す操作です。カットとは異なり、クリップの両端を伸ばしたり縮めたりする微調整を指すことが多いです。
タイムライン(Timeline)
タイムラインとは、動画編集ソフトの画面下部に表示される、映像や音声を時間軸に沿って並べる作業領域のことです。複数のトラック(映像トラック・音声トラック)を重ねて配置することで、テロップやBGMを同時に管理できます。
クリップ(Clip)
クリップとは、タイムライン上に配置された個々の映像素材や音声素材のことです。撮影した動画ファイルをタイムラインに読み込むと、それが「クリップ」として扱われます。
レンダリング(Rendering)
レンダリングとは、編集した内容を最終的な動画ファイルとして書き出す処理のことです。カット・エフェクト・テロップなどの編集内容をすべて計算して、ひとつの動画ファイルに統合します。「書き出し」「エクスポート」とも呼ばれます。
用語は、実際の作業と結びつけると一気に定着します。手順を追いながら操作を試せる入門書を1冊持っておくと、辞書代わりに使えて便利です。
プロキシ(Proxy)
プロキシとは、高解像度の元素材の代わりに使用する低解像度の代理ファイルのことです。4Kなど重い素材を編集する際にプロキシファイルを作成することで、編集中のプレビューが軽くなり、作業効率が上がります。最終書き出し時にはオリジナル素材が使用されます。

映像効果に関する用語
トランジション(Transition)
トランジションとは、あるシーンから次のシーンへ切り替える際に使用する映像効果のことです。代表的なものに以下があります。
- クロスディゾルブ:前のシーンが徐々に消えながら次のシーンが現れる
- ワイプ:画面の一方向から次のシーンが押し出すように切り替わる
- フェードイン/フェードアウト:黒い画面から徐々に映像が現れる、または映像が徐々に暗くなる
エフェクト(Effect)
エフェクトとは、映像や音声に対して適用する加工・効果の総称です。ぼかし、グロー(光の拡散効果)、ノイズリダクション(ノイズ除去)、手ぶれ補正など、さまざまな種類があります。エフェクトの使い方次第で動画の印象が大きく変わります。
カラーグレーディング(Color Grading)
カラーグレーディングとは、映像全体の色味やトーンを調整して、意図した雰囲気や世界観を表現する作業のことです。映画のような色合いにしたり、明るくポップな印象にしたりと、映像の印象をコントロールできます。
カラーコレクション(Color Correction)
カラーコレクションは、撮影時のホワイトバランスのずれや露出の過不足を補正し、映像を「本来の色」に近づける作業です。カラーグレーディングが「演出的な色調整」であるのに対し、カラーコレクションは「技術的な色補正」という位置づけです。
LUT(ラット / Look Up Table)
LUTとは、色の変換情報をまとめたファイルのことです。LUTを映像に適用することで、ワンクリックで特定の色味やテイストに変換できます。映画風やフィルム風などのLUTが無料・有料で多数配布されています。
なお、LUTを当てた結果が意図どおりかどうかは、表示しているモニターの色再現に左右されます。色に踏み込んだ編集をするなら、表示環境も判断材料の一つになります。
キーフレーム(Keyframe)
キーフレームとは、アニメーションや動きの変化を制御するための設定ポイントのことです。たとえば、テロップを左から右に移動させる場合、開始位置と終了位置にキーフレームを設定すると、その間を自動的に補間してスムーズな動きが作られます。
音声に関する用語
BGM(Background Music)
BGMとは、動画の背景に流す音楽のことです。動画の雰囲気を左右する重要な要素であり、著作権に配慮した音源を選ぶ必要があります。
SE(Sound Effect / 効果音)
SEとは、特定の場面で使用する効果音のことです。テロップ表示時の「ポン」という音や、場面転換時の「シュッ」という音など、動画にメリハリをつける役割があります。
音量レベル / デシベル(dB)
音量レベルは音の大きさを表す指標で、デシベル(dB)という単位で表します。動画編集では一般的にBGMは-20〜-30dB程度、ナレーションや会話は-6〜-12dB程度に調整するのが目安です。
この数値は目安であり、最後は耳で判断することになります。低音や高音を強調しないモニターヘッドホンがあると、視聴者側の聞こえ方に近い状態で確認できます。
ノーマライズ(Normalize)
ノーマライズとは、音声の音量を基準値まで自動的に調整する機能のことです。録音時に音量がバラバラになった素材を均一に揃える際に使用します。

テロップ・テキストに関する用語
テロップ(Telop)
テロップとは、動画内に表示する文字(字幕やテキスト)のことです。話している内容を文字で表示することで、音声を聞けない環境でも情報が伝わるようになります。
フォント(Font)
フォントとは、テロップに使用する書体のことです。ゴシック体、明朝体、手書き風フォントなど、動画の雰囲気に合ったフォントを選ぶことが大切です。商用利用可能かどうかも確認しましょう。
モーションタイポグラフィ(Motion Typography)
モーションタイポグラフィとは、文字に動きをつけて表示する手法のことです。テロップが回転しながら出現したり、文字が一つずつ順番に表示されたりといった表現ができます。
この領域を本格的に扱うなら、モーショングラフィックス向けのソフトの知識が必要になります。After Effectsの解説書から入ると、キーフレームの考え方も含めて整理しやすくなります。
書き出し・ファイル形式に関する用語
コーデック(Codec)
コーデックとは、映像や音声データを圧縮・展開するための技術(プログラム)のことです。代表的な映像コーデックにはH.264、H.265(HEVC)、ProRes、DNxHRなどがあります。
コンテナ(Container)
コンテナとは、映像・音声・字幕などのデータをひとつにまとめるファイル形式のことです。MP4、MOV、AVI、MKVなどが代表的です。コーデックが「中身の圧縮方式」なら、コンテナは「中身を入れる箱」と考えるとわかりやすいです。
ビットレート(Bitrate)
ビットレートとは、1秒あたりに処理するデータ量のことで、単位はbps(bits per second)です。ビットレートが高いほど画質・音質がよくなりますが、ファイルサイズも大きくなります。
フレームレート(Frame Rate / fps)
フレームレートとは、1秒間に表示するフレーム(静止画)の枚数のことで、fps(frames per second)という単位で表します。一般的な動画は30fpsまたは60fpsで撮影・書き出しされます。
解像度(Resolution)
解像度とは、映像の横ピクセル数と縦ピクセル数で表される画面の細かさです。主な解像度は以下のとおりです。
- HD(720p):1280 x 720
- フルHD(1080p):1920 x 1080
- 4K(2160p):3840 x 2160
- 8K(4320p):7680 x 4320
アスペクト比(Aspect Ratio)
アスペクト比とは、映像の横と縦の比率のことです。YouTubeなど一般的な横型動画は16:9、TikTokやInstagramリールなどの縦型動画は9:16が標準です。
その他の関連用語
サムネイル(Thumbnail)
サムネイルとは、YouTube動画一覧などに表示される小さなプレビュー画像のことです。視聴者がクリックするかどうかを左右する重要な要素であり、動画の内容を端的に伝えるデザインが求められます。
サムネイルの善し悪しは、文字の大きさや色の組み合わせで決まる部分が大きいところです。配色やレイアウトの基本を扱った書籍を一冊読んでおくと、感覚頼みから抜け出しやすくなります。
エンドカード(End Card / 終了画面)
エンドカードとは、YouTube動画の最後に表示される画面のことです。他の動画への誘導やチャンネル登録ボタンなどを配置して、視聴者の次のアクションを促します。
チャプター(Chapter)
チャプターとは、YouTube動画の概要欄にタイムスタンプを記載することで、動画内に目次のような区切りを設定する機能です。視聴者が見たい部分にすぐにジャンプできるようになります。

まとめ
動画編集の基本用語を、編集操作・映像効果・音声・テロップ・書き出しの5つのカテゴリに分けて解説しました。すべてを一度に覚える必要はなく、実際に編集作業をしながら少しずつ覚えていけば大丈夫です。
わからない用語が出てきたときは、このページを辞書代わりに活用してください。用語を正しく理解することで、チュートリアルの理解度が上がり、スキルアップのスピードも早くなります。
参考リンク:


